今回は、女性の視点から描かれた「いびき篇」、男性の視点から描かれた「寝返り篇」といった、夫婦それぞれの視点から見た2点のCMとなっています。
冒頭ではどなたでも感じたことのあるような、何気ない日々の生活習慣であったり、ほんの少しのすれ違いからの不満が描かれています。
でも、長く一緒に居る夫婦だからこそ見える部分であり、良い所も悪い所も含めて、家族として過ごす幸せな生活を描いたやさしい物語になっています。
① 「私の夫 イラっと するんです」
②「洗面台は使うたんびにぐしゃぐしゃ」
③「でもそんなことじゃありません。存在自体にイラっとするんです」
④「だけど、この人との日々は悪くない」
⑤「やさしさの居場所リヴィエールマンション」
①「僕と妻はまったく噛み合わないんです」
②「来ないでほしいな~、って時に来て。来てほしいな~、って時に来てくれない」
③「心が通い合う日が来るんでしょうか」
④「それでもこの人との日々は悪くない」
⑤「やさしさの居場所リヴィエールマンション」
1967年 | 福岡県生まれ。 |
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1992年 | 九州芸術工科大学(現:九州大学)画像設計学科卒業。 |
1997年 | 空気モーショングラフィックス(現:空気株式会社)KOO-KI共同設立。 CMや短編映画、ドラマなど娯楽性の高い作品の演出を数多く手がける。 '07~'09年世界で最も重要な広告賞として知られるカンヌ広告祭で三年連続受賞(Bronze/Bronze/Gold)。 |
2013年 | 東京五輪招致PR映像「Tomorrow begins」のCDを務める。同年、ドラマ「めんたいぴりり」の監督を務め、日本民間放送連盟賞優秀賞、ATP賞ドラマ部門奨励賞、ギャラクシー賞奨励賞受賞。 |
2015年 | 続編「めんたいぴりり2」が放送。 Webムービー「TOYOTA G's『Baseball Party』」の企画・監督を務め、Youtubeで860万ビューを超える盛り上がりを見せ、MLB公式サイト、TV局CBSスポーツ電子版ADWEEKのサイトに取り上げられるなど 話題を呼ぶ。 |
*今回のCM「いびき篇」、「寝返り篇」の2篇では、夫婦それぞれの視点で描かれていますが、今回のCMでコンセプト・テーマとなったものは何でしょうか。
「やさしさの居場所」です。
リヴィエールマンションは、夫婦の愛情そのものだという思いから、それぞれの視点を描きました。(江口カン)
*本CMでは、実際の生活の中でも、「よくこう思うことってあるなぁ」と共感する所も多く見えられましたが、構成を思いついたきっかけは何でしょうか。
たしか監督が「気持ちのずれ」で構成しよう、と。具体的には、すれ違いながら40年以上連れ添っている私の両親をヒントにしました。(プランナー:川之上 智子)
*リヴィエールマンションでは"女性目線のマンションづくり"をコンセプトにマンションを企画していますが、本CMで女性を意識したシーンはありますか?
奥さんというのは、いつもご機嫌なわけではなくぬけた旦那に対してイライラしたり、ちょっと怒ったりもします。そんなものを全部ひっくるめた可愛らしさを意識しました。(江口カン)
*本CMで出演された俳優、女優さんを選出された決め手はありますか。また、演出でこだわって欲しいことについて要望や指示事項はありましたか。
ただのニコニコした夫婦の幸せではなく、ふつうの家族として少し怒ったり、いじけたりする姿がかわいらしく見える2人を選びました。
演出はたくさんしましたが、忘れました(笑)
もちろん彼ら自身から生まれた表現も、採用しています。(江口カン)
*「TOYOTA G's『Baseball Party』」、「ガチ★星」といった、北九州(小倉)が舞台となっている作品を作られていますが、他の都市や地方と比べ、ご自身の感じた北九州(小倉)の街の好きなところ、良いところはどこでしょうか。また、嫌いな所もございましたら。
ダイレクトに住んでいる人たちの息吹を感じること。着飾りすぎていない、その直球さが好きです。嫌いなところはありません。(江口カン)
*本CMに限らず、数々のユニークなCMを制作されていますが、映像を創造される時に信条とされていることはありますか。
面白くすることに精いっぱいです。(江口カン)
*ご自身が映像作品を作り始めたきっかけは何でしょうか。また、いつ頃でしょうか。
高3の春、同級生と文化祭用にホームビデオで「ロッキー」のパロディを撮った映画がはじまりでした。それから九州芸術工科大学に進学を決め、映像制作を学ぶことになったんです。(江口カン)
*前作に引き続き両篇の最後は「やさしさの居場所」と締めていますが、ご自身にとっての"やさしさの居場所"とは何に当たりますか。
まっすぐ向き合うことですかね。
厳しさの中にやさしさがあることもあるし、人だけでなく、物事や何に対してもまっすぐ向き合うこと。そこにやさしさがあるんじゃないでしょうか。(江口カン)